演奏家なら知っておきたい、呼吸と骨盤の関係
こんにちは、川浪です。
アレクサンダーテクニークのレッスンを受ける方に、呼吸の悩みを持つ方は多いです。
歌や管楽器の方はもちろん、その他の楽器でも、演奏と呼吸は関係が深いです。
十分吸えない、もしくは吐けない、安定しない、など、自覚的な場合もありますし、本人は自覚はないけれども、呼吸を止めていることが、演奏の問題になっていることもあります。
呼吸に関して一般的に言われることには、間違いや誤解も多く、まずは正しい知識を得ることが、非常に重要です。
今回は、呼吸について、絶対に知っておくべき内容を紹介します。
それは「骨盤と呼吸の関係」です。
まず、呼吸の仕組みをかんたんに説明します。
呼吸とは、肺の大きさを変えることで、空気を出し入れすることです。
そのためには、胸郭が動く(胸式呼吸)と、横隔膜が動く(腹式呼吸)の二つの方法があります。
(ちなみに「胸式はダメ、腹式がいい」という指導は、特に根拠がありません。以前書いた記事にリンクします)
今回は、腹式呼吸に関して。
腹式呼吸では、横隔膜が上下します。
横隔膜の下には、腹腔(ふくくう)、単純にいえば内臓があります。
腹腔の下部は、どこかというと、骨盤になります。
実はこれが非常に重要なポイントで、横隔膜が下がった時に、腹腔の下部は骨盤で受けるわけです。
これが、一般的な言葉で言うところの、息の支えとか、おなかの支えとか、丹田が云々、といった曖昧な表現の解剖学的な理解だと思います。
もちろん、腹筋も関係していますが、ほとんどの方は呼吸と骨盤の関係を意識することがないのではないでしょうか。
実際のレッスンでは、骨盤のボディマッピングがクリアになると、呼吸の問題も改善することがほとんどです。
というわけで、呼吸に悩める方は、演奏時の自分の骨盤に意識を向けてみてください。
解剖図を見てイメージをハッキリさせるのもよいですし、自分の骨盤を触ってみて、どんな形状をしているのか、どのような位置にあるのか、といったことも確認してみてください。
そして、それが呼吸にどんな影響をあたえるのか、観察してみてください。