「お客さんをカボチャと思え」がダメな理由
こんにちは、川浪です。
先日、緊張と身体の使い方の関係について書いたら「参考になりました」という声をいただいたので、このテーマでもう少し書いていこうと思います。
本番で緊張する人へのよくあるアドバイスに「お客さんをカボチャと思え」という話があります。
ちなみに、ジャガイモとか、カカシとか、色々バリエーションがありますね。笑
しかし、これはステージに立つ時に、最もやってはいけないことの一つです。
理由は簡単です。
お客さんの気持ちになってください。
ステージにたっている人から、カボチャと思われていたら、どんな気持ちがしますか?
あまり良い気はしないですよね。
確かに、カボチャの前で演奏していると思うと、緊張はしないかもしれません。
しかし、そう思っていることは、確実にお客さんに伝わります。
これは僕のレッスンでお伝えしている、最も重要なことでもあります。
つまり「考えた通りに、身体は動く」ということです。
もう少し詳しく説明すると、考えていることは、どんなことであっても、身体の使い方に影響を及ぼす、ということです。
これの例が、ボディマッピングという考え方です。
自分の身体について持っているイメージに基づいて、身体を使っているということですね。
しかし、これは身体のイメージに限った話ではありません。
例えば、先ほどのように、相手をカボチャと思っていると、それも身体の使い方に影響するし、そうすれば、当然演奏にも影響します。
ちょっと、演奏と違う例で考えてみましょう。
例えばレッスンを受ける時に、この生徒はバカだ、と思っていたり、お金を稼ぐために仕方なくレッスンをしていたり、という先生だったら、レッスンを受けていても何となくわかりますよね。
できれば、そんな先生は避けたいところです。
しかし、先生が、教えることに強い情熱を持っていて、生徒さんのいいところを伸ばしていきたい、と思っていたらどうでしょうか。
そういう先生だったら、是非レッスンを受けたいと思うはずです。
演奏でも、同じです。
確かに演奏は上手いんだけど、なんとなく心に響かないな、という演奏もあれば、そんなに技術があるわけではないんだけど、心に響く演奏もあります。
なんとなく、心当たりがあるんじゃないでしょうか?
その違いは、どこから生まれるかというと、演奏者が、どういう思いで、そのステージに立っているか、ということが影響していると、僕は考えています。
ステージに立つ時に、緊張してしまうとしても、お客さんをカボチャだと思わずに、自分が演奏する動機を改めて考えてみてください。
その気持ちに沿って演奏することで、たとえ緊張していたとしても、良い演奏につながるはずです。