あがり症を克服するための3つのステップ
こんにちは、川浪です。
アレクサンダーテクニークのレッスンを受ける方で「本番であがってしまい、いつも通り演奏できない」という悩みを抱える方は多いです。
あがり症というのは、プロ、アマ問わず、音楽家にとって根深い悩みのように感じます。
本番であがってしまう時に、身体に何が起こっているのかは、以前、こちらの動画で解説しました。
最終目標は、ステージで自分の100%の力を発揮できる、だと思います。
もちろん、アレクサンダーテクニークのレッスンで身体の使い方を学んでいけば、それに近づくことができます。
しかし、いきなりそれができるかというと、現実的にはハードルが高いです。
ステージで演奏するのは、普段一人で練習している時とは、全く状況が異なります。
・そもそも場所が違う。広さ、照明も違う。
・共演者がいるし、練習の時と位置関係も違う。
・お客さんがいる。反応が良い時も、悪い時もある。
などなど。
これだけ違いがあれば、たくさんの刺激を受けるし、それに対する反応も色々起こります。
というわけで、よくレッスンでお伝えしているのは「本番は緊張するものだ」ということです。
誰だって、多かれ少なかれ緊張するのに「絶対、緊張したくない!緊張してはダメだ!」と思いつめると、さらなる緊張を生んでしまいます。
ありもしないことを求めるのではなく「本番は緊張するものだ」という前提で望むことが大切です。
次のステップは、本番に対する意識を変えるということです。
本番であがってしまう方の多くは、絶対成功させたい、という思いが強いです。
「絶対成功する」というのは不可能です。
どんな一流の演奏家であっても、時には失敗することもあります。
先の動画で解説した通り、できもしないことをやろうとすると、身体は固まってしまいます。
では、何を意識するのか。
一つの提案は「成功するにしても、失敗するにしても、その時自分の身体は何をやっているのか、観察してみる」ということです。
あがっている時は、必ず身体にもなんらかの反応が起こっています。
指がふるえているのか。
指以外では、何が起こっているのか。
身体を固めていないか。
姿勢はいつもと同じだろうか。
自分の全身に意識を向けて、観察してみてください。
そうすれば、少なくとも、あがって頭が真っ白になる、といった状況からは、抜けだしているはずです。
本番を終えたら、その観察をもとに、次のステップに進みます。
本番で起こっている身体の傾向と同じことを、普段もしている可能性が高いです。
なぜなら、本番の強い刺激を受けることによって、普段の体のクセが強調される場合が多いからです。
結局のところ、本番でも、普段でも、同じようなことをやっているわけです。
だとすれば、本番の観察に基づいて、普段からそれを手放すように意識していれば、本番でも、それを手放すことができます。
まとめると、
1,本番は緊張するものだということを受け入れる。
2,本番で、自分の身体に何が起こっているのかを観察する
3,普段からそれを手放すように意識する
このステップを繰り返していくことで、本番でも100%の力を発揮する、という理想に近づいていくことができます。