なぜ身体がうまく使えないのか
こんにちは、川浪です。
最近「医師のつくった頭のよさテスト」という本を読みました。
タイトルはあれですが、認知特性についてとても分かりやすく書かれた本です。
認知特性とは「目や耳などの感覚器から入った情報を理解、整理、記憶、表現する方法」だそうです。
この本によると、生後二ヶ月くらいから、まず前庭覚(自分の身体の位置やバランスの間隔)固有覚(力加減や手足の位置、動きの感覚)触覚(触る)が発達します。
それから、視覚、聴覚、嗅覚、味覚などが発達して、さらに運動能力や知的能力が備わります。
つまり、固有覚、前庭覚、触覚が能力のベースになるということです。
これを読んで感じたのは、身体が上手く使えないという状態は、このベースの部分がうしなわれているのではないか、ということです。
アレクサンダーテクニークのレッスンを受講される方は「思うように身体が動かせない」とか「力が入ってしまうのは分かるが、うまく手放せない」という悩みをお持ちです。
これは正に先ほどの「前庭覚」や「固有覚」に関係する部分だと思います。
これらは、本来であれば能力のベースになる感覚ですが、何かしらの理由でそれを使っていないから、錆びついてしまっているのではないか。
アレクサンダーテクニークのレッスンは、その感覚を再び得るための学習ではないか、というふうに感じました。
もちろん、これは特に根拠はなく、僕なりの仮説でしかありません。
音楽のレッスンでは、身体の使い方に関しては、ほとんどの場合、先生が感覚で教えているというのが現状です。
アレクサンダーテクニークのレッスンでは、解剖学などを取り入れることで、その再現性を高めています。
今後は、脳神経科学などの研究と結びつくことで、より再現性の高いレッスンが行えるようになるかもしれません。