なぜ身体の使い方を学ぶと、本番で緊張しなくなるのか
こんにちは、川浪です。
先日、本番の緊張で悩んでいる、という方がレッスンに来られました。
これまでも緊張に悩んでいましたが、今度、大きな本番をする機会に恵まれ、それに向けて、本格的にあがり症に取り組みたい、とのことでした。
あがり症と、身体の使い方が、いったいどのように結びつくのか、不思議に思う方もいらっしゃると思います。
一般的には、あがり症対策というと、深呼吸して落ち着く、とか、ポジティブシンキングをしてみる、とか、そういったものをイメージしますよね。
あるいは、とにかく場慣れしましょう、とか。
もちろん、これらの対策で効果があればいいのですが、実際は中々効果を感じられない、という方も多いと思います。
例えば、ポジティブシンキングでよくあるのは「自分は世界一の音楽家と思って演奏しなさい」とか「失敗を恐れないようにしましょう」とか。
いやいや、そう思えるなら、最初から苦労してないよ、という話です。笑
では、僕のレッスンで、どのようにお伝えしているかというと、まず、本番は緊張するものだ、ということです。
普段、家でリラックスして演奏するのと、ステージでお客さんの前で演奏するのでは、まったく状況が違います。
普通に考えて、緊張するのは、当たり前です。
それを無理に「緊張しないようにしよう」と考えると、逆に焦って、さらに緊張してしまいます。
ですから、本番は緊張するものだ、ということをまず受け入れることが重要です。
次に考えることは、緊張したら、なぜうまく演奏できないのか、ということです。
演奏というのは、身体を使って楽器を操作し、イメージした音を奏でることです。
緊張して普段と同じように演奏できない、ということは、身体で普段と違うことをしてしまっている、ということです。
つまり、緊張は、身体に何かしらの影響をおよぼすということです。
例えば、身体のどこかに余計に力が入って固めてしまったり、周りを見たくないがためにうつむいてしまったり、などです。
これらの身体の反応に気づくことが出来れば、心の緊張よりも、比較的、簡単に手放すことができます。
なぜなら、心の緊張は頭のなかで起こっているので、見ることも触ることも出来ませんが、身体の反応は見ることもできるし、触ることもできます。
そうして、緊張した時の身体の反応に気づいて、それを手放すことが出来れば、たとえ緊張していたとしても、普段通りのパフォーマンスを発揮することが出来るというわけです。
そうして、緊張しても上手く演奏できた経験を繰り返していくと、どうなるでしょうか。
そもそも緊張するのは、多くの場合、本番でうまく演奏できるか不安、ということが原因です。
しかし、この訓練を繰り返していけば、緊張していても、本番でうまく演奏できるようになります。
そうすれば、本番でうまく演奏できるか不安に思う必要はなくなり、逆説的に緊張しなくなる、というわけです。
実際に、緊張がきっかけで僕のレッスンを受講されている方の多くが、本番で緊張しなくなり、演奏を楽しめるようになった、とおっしゃっています。
本番での緊張でお悩みの方は、ぜひ身体の使い方を学んでみてくだい。
そうすることで、大好きな演奏を、思いっきり楽しめるようになりますよ。