よい音とは?アレクサンダーテクニークのレッスンから考える
こんにちは、川浪です。
レッスンを受講中の現役音大生(クラリネット)の方から、おもしろい話を聞きました。
要約すると、
ーー
音大の先生から、よい音のイメージをつかむためには、クラリネットだけでなく、他の楽器も聴いたほうがよい、と言われた。
クラリネットだけ聴いていると、どうしても、音色よりも技術的なことに意識が向いてしまうから。
いろんな楽器のよい音を聴くことで、自分が奏でたい音もイメージできるようになる。
ーー
ということです。
この話を聞いて、なるほど、と思いました。
というのも、僕はこれまで、あらゆる楽器の方にレッスンしてきました。
ざっと、あげると
ピアノ
ヴァイオリン
ヴィオラ
チェロ
コントラバス
フルート
クラリネット
サックス
オーボエ
ファゴット
トランペット
トロンボーン
ホルン
ユーフォニウム
チューバ
ドラム
パーカッション
ギター
ボーカル
声楽
三味線
リコーダー
篠笛
ハープ
etc
なぜ、わざわざ羅列したかというと、どの楽器の方でも、レッスンのBefore-Afterで、明らかに音が良くなったと感じられるからです。
僕がそう思うだけでなく、演奏している本人もそう感じるのです。
つまり、どんな楽器であっても、「よい音」を出すために必要な身体の使い方は、共通している部分がある、と断言して差し支えないでしょう。
もちろん演奏の技術的なことに関しては、それぞれの楽器で異なります。
では、どうすればよい音で奏でられるのか、長年アレクサンダーテクニークのレッスンをしてきた観点から説明します。
重要なポイントを一言で言えば、
音を出すということは、楽器だけではなく、身体も共鳴している、
ということです。
例えば、同じ楽器でも、演奏する人が異なれば、奏でる音は変わります。
逆に、腕の良い奏者であれば、楽器の程度が悪くても、よい音を奏でることができます。
つまり、楽器の状態は、もちろん重要ですが、それをどう演奏するか、また、それを演奏する人の身体がどんな状態であるか、が影響しています。
では、どのような状態であれば、演奏時に身体を共鳴させることができるのか。
それは、
目的に対して、必要なことをして、不必要なことはやめる、
これにつきます。
(いつも同じ話ばかりで恐縮ですが)
たとえば、クラリネットであれば、音をだすために必要なことは、楽器を持って構える、息を吐く、舌や口の操作、キーの操作、などです。
それぞれの動作に、必要以上な力を使えば、身体を固めてしまい、共鳴を損ねてしまいます。
では脱力すればよいかというと、一般的には、脱力しようとすると、演奏するために必要な力も手放してしまい、やはり、思い通りの演奏にはなりません。
(だから、僕は「脱力」という単語は使いません)
思うような音色を出せないということは、演奏したいことに対して、余計なことをやっているか、必要なことが足りていないか、どちらかです。
それを改善することで、身体も共鳴するようになり、よい音で演奏できるというわけです。
ところで、レッスンを受講されるきっかけが、痛みの改善や、楽に演奏したい、という動機の方もいらっしゃいます。
そのような場合は、レッスンを受講されて、楽に演奏できるだけでなく、音もよくなることに、驚かれる方もいらっしゃいます。
一般的には、よい音を出すためには、スポ根的な苦労をしなければならない、と思っている方も、まだまだいます。
しかし、努力が必要という意味では正しいのですが、必ずしも、身体を痛めつけるような苦労が必要、というわけではありません。
必要なことをして、不必要なことを手放せば、痛みや故障が減るだけでなく、あなたがイメージする音にも近づくことができます。
身体の使い方と、よい音を出すということは、密接に関係しているのです。
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