アレクサンダーテクニークって結局なんなの?
こんにちは、川浪です。
最近、アレクサンダーテクニークの名前を知っている方が、増えているようです。
アレクサンダーを教えている先生も、少しずつ増えてきました。
しかし、いろんな先生が、いろんな教え方をしているので、
「結局のところ、アレクサンダーテクニークってなに?」
と思う方も多いです。
今回は、アレクサンダーテクニークとは何をするのか、を解説してみます。
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まず、レッスンを受けにくる方に、よくある悩みは、
「からだのある部分が上手く使えない」
ということです。
指が回らない、肩に力が入る、呼吸が苦しい、など。
一般的な解決法では、その問題が起こっている部分にアプローチします。
指が回らない→指の練習をする
肩に力が入る→肩のストレッチをする
呼吸が苦しい→腹筋を鍛える
などです。
実は、これがあまり効果的ではありません。
なぜかというと、
問題が起きている部分に、その原因があるとは限らない。
からです。
つまり、指が回らない時に、その原因は指以外にある、ということです。
指に原因がないということは、どれだけ指の訓練をしても、ある程度は効果があるかもしれませんが、それだけでは解決しないということです。
・全身のバランスを考える必要がある
指と、手首はつながっています。
手首と、ひじもつながっています。
同様に、人間のからだは、全身つながっています。
指が回らない、という問題を解決しようと思ったら、全身のバランスを考える必要があります。
アレクサンダー氏は、全身のバランスを考えた時に、特に重要な部分を発見しました。
それが「頭と脊椎」です。
頭と脊椎は、からだの中心に位置します。
体の中心となる頭と脊椎を固めていたら、それが全身に影響して、手足の動きも制限します。
その状態で、どれだけ指を動かす練習をしても、そもそも制限があるのであまり効果がありません。
場合によっては、体を痛めたり、故障の原因になったりします。
車に例えると、ブレーキを踏みながら、一生懸命アクセルを踏んで、なかなか進まないなぁ、と嘆いているようなイメージです。
ブレーキを外すだけで、同じアクセルの踏み具合、もしくは少なくても、以前よりスピードが出るようになります。
一般的なトレーニングや、エクササイズでは、アクセルの踏み方を練習します。
しかし、アレクサンダーテクニークでは、このブレーキの外し方を学ぶわけです。
そして、ブレーキはほとんどの場合、「頭と脊椎」の関係性で起こっています。
頭と脊椎の関係性を改善することで、全身のバランスが上手く働くようになる、というのがアレクサンダーテクニークのレッスンの目的です。
・実際のレッスン
伝統的なアレクサンダーテクニークのレッスンでは、立ち座り、といった簡単な動作を繰り返すことで、頭と脊椎の関係性を改善していきます。
これは有効な手段ですが、いくつかの問題もあります。
一つは、多くの人が、立ち座りに情熱が持てないこと。
身体の使い方を学ぶためには、一度レッスンを受けたら終了というわけではありません。
ある程度、繰り返しレッスンを受ける必要があります。
その時に、立ち座りといった動作に興味が持てないければ、レッスンを続けるモチベーションが保てず、結局身につけることが出来ません。
もう一つの理由は、立ち座りで身体の使い方を学ぶと、実際の活動に応用するのに、一手間かかるということです。
僕のレッスンは、音楽を演奏される方を主な対象としています。
演奏活動は、日常動作よりはるかに複雑です。
ですから、立ち座りで学んだ身体の使い方を応用するためには、コツが必要です。
というわけで、僕のレッスンでは、最初から、演奏活動を通して、身体の使い方を学んで行くスタイルでレッスンを行っています。
最初から演奏しながら学ぶので、自分で応用する手間は省けます。
またレッスンに来られる方は、演奏を向上させたいという強い思いがあるので、レッスン継続のモチベーションにもなります。
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というわけで、アレクサンダーテクニークとは何をするのか、を説明してきました。
しかし、結局のところ、身体の使い方というのは、読んだだけで理解できるものではありません。
実際にレッスンを体験するのが、一番の近道です。
興味のある方は、ぜひ一度レッスンを体験されることをオススメします。