アレクサンダーテクニークを教えられる人、教えられない人の違い
こんにちは、川浪です。
前回は、僕がアレクサンダーテクニークの先生になるまでに、どういった経緯があったのかを説明しました。
アレクサンダーテクニークの講師養成コースは、4年間で400万もかかる割には、なぜか「教え方」は教えてもらえず、トホホな感じで、それをカバーするために必死で頑張ったわけです。
そんな感じだったので、一緒にコースを受けていた方の中では、どうやって教えたらいいのかわからないままの方も、たくさんいました。
その一方で、なんとなく教えられるようになる方も、もちろんいました。
今回は、その違いは、一体どこから生まれるのか、ということについて書いていきます。
ポイントは2つあります。
1つ目は、、、
「英語がわかるかどうか」です。
なんじゃそりゃ、という感じですが、、、
僕が教わっていたコースでは、主に海外の先生を招へいして、通訳を介して、レッスンを受けていました。
ただでさえ、身体のことを言葉で説明するのは難しいです。
それが、通訳を介するとなると、もう絶望的です。
僕の体感では、半分も伝わってなかったんじゃないかと思います。
一例を上げると「ask」という動詞があります。
「ask your coordination」
みたいに、使うことが多かったのですが、
(ここでいう「coordination」とは身体のバランスみたいな感じです)
これを「あなたのコーディネーションにお願いしてください」と通訳するんですね。
「ask」を、「お願いする」と訳すことも出来るんでしょうが、、、
英英辞典で調べると、一番に出てくるのは「make a request or demand for something or somebody」です。
もっと主体的、積極的なニュアンスだと思います。
これを「お願いする」とやっちゃうので、まるで神頼み、おまじない、みたいとらえてしまっている人が、けっこういたんですね。
(アレクサンダーテクニークは、宗教でもスピリチュアルでもありません。笑)
これは一例で、こういうレベルの話が山程ありました。
単純に、通訳が間違えてることも、けっこうありました。
僕は、英語が得意というわけではありませんが、一応、国立大学出身なので、多少は分かります。
そんなわけで、英語が分かる人の方が、教えられるようになるまでのつまづきが少なかった印象です。
逆に言えば、英語が分からないことで、絶望的な勘違いをしている方が、多数いたわけです。
もう一つ、こっちの方が、重大なポイントです。
それは「教える経験の有無」です。
これまでの人生で、アレクサンダーテクニーク以外に、なにか教えるという経験をしたことがあるかどうか。
例えば、もともと楽器のレッスンをされている方であれば「教える」という行為自体に、馴染みがあります。
これまでレッスンしてきて、こういう時に上手くいかなかった、という、問題意識もあります。
またコースで学んだことを、即レッスンで実践できる環境もあります。
この三拍子が揃っていれば、「教え方」を教わらなくても、なんとなくレッスンできるようになるんですね。
前回もお話したとおり、僕の場合は、そういう環境を自分で頑張って作り出したわけです。
しかし、これってなかなか大変なんですよ。
それに、初めから「日本語」で「教え方」さえ教えてくれれば、こんな回り道する必要ないんですね。
今にして思えば、四年間もかける必要はなかったな、と思います。
では、次回、アレクサンダーテクニークの「教え方」とは、何なのか。ということについて説明します。