ストラップの長さから、楽器のセッティングを考える
こんにちは、川浪です。
「ギターのストラップの長さは、どうしたらいいですか?」という質問を受けました。
ギターにかぎらず、ドラムのセッティングや、椅子の高さなど、楽器のセッティングに関する質問は、たくさんあります。
今回は、楽器のセッティングに関して、ヒントをお伝えします。
いきなりですが、正しいセッティングというのはありません。
もちろん、ギターのストラップであれば、身長や腕の長さによって、ある程度、目安となる長さはあります。
しかし、絶対にその長さにしてください、というのは実践的ではありません。
というのも、演奏は弾きやすさだけが重要ではないからです。
例えば、見た目。
特に、バンドでギターを弾くような場合、見た目も重要です。
どんなに速いフレーズが弾きやすいからといって、高い位置でギターを構えていては、バンドとして様にならないこともあります。
ギターだけでなく、ドラムも見た目の要素は大きいですね。
では、弾きやすさを優先して見た目を諦めるのではなく、見た目を重視したセッティングをして、その状態で効率的な演奏をする、という方が実践的です。
また、見た目重視でなくとも、思うようなセッティングができない場面も多々あります。
例えば、オーケストラで、狭いスペースに大人数がいる場合。
ドラムやピアノなど、自分の楽器が持ち込めない状況で、演奏する場合。
そういった場合は、やりにくいセッティングなりに、効率的な方法は存在するというのが、当レッスンの基本的な考え方です。
(もちろんレッスンでは、個別の状況において最適な方法をお伝えしています)
もう一つのヒントは、楽器のセッティングは演奏内容にも影響する、ということです。
例えば、ギターのストラップを短くして、高い位置で構えると、ギターの位置が安定するので、細かいピッキングはやりやすいでしょう。
しかし、これでは、腕の振りを大きく使うことができず、力強くコードを鳴らすような演奏には不向きです。
ジャズギタリストが高い位置で構えて、ロックギタリストが低い位置で構えるのは、単に見た目の問題だけはないということです。
もちろん、これはギターに限った話ではなく、あらゆる楽器にも言えることです。
楽器のセッティングを考える時には、単純に弾きやすさだけを考えるのではなく、どんな演奏がしたいのか、というところから考える必要があります。
また、必ずしも、一つのセッティングにこだわる必要はないということを覚えておいてください。