レッスンで伝える情報量は出来るだけ〇〇がいい
こんにちは、川浪です。
最近ネットで面白い記事を読みました。
「スポーツや楽器のスキルが倍のスピードで上がる方法があるかも!という実験」
簡単にまとめると、
1,全く同じ方法で繰り返すより、毎回ちょっと違う方法を試したほうが上達が早い
2,変化のレベルは少しにとどめる方が良い
3,反復のタイミングは翌日くらいがよさげ
ということだそうです。
この実験の信頼度がどれくらいなのかは分かりませんが、僕の経験からも、違和感のない結果ですね。
もしあなたが望む演奏を得られていないのだとしたら、同じ練習を繰り返すのではなく、違う方法を試す必要があります。
同じ曲を、同じように練習していても、慣れる、以外の効果はありません。
では、具体的に何を変える必要があるかと言うと、身体の使い方です。
演奏する、ということは、頭の中にある音のイメージを、身体を使って実際の音にする、ということです。
ですから、望んだ演奏ができていない、ということは、身体の使い方から見直す必要があるからです。
、、、と、ここまでは、いつもお伝えしていることですが、身体の使い方を変えると言って、じゃあどれくらい変えるのが効果的なのか。
今回は、僕が7年間のレッスン経験から得られた答えを紹介します!
これについては、長年試行錯誤をしてきたんですね。
身体の使い方と一言で言っても、色々ありますので、レッスンをする立場としては、伝えたいことは山程あります。
レッスンを始めた頃は、一コマのレッスンに出来るだけたくさんの情報を詰め込もうとしていました。
ところが!
これはあまり上手く行きませんでした。
というのも、不必要な身体の癖をイメージにすると、何層にも重なっている感じです。
図1(あくまでイメージです)
この不必要な癖を手放していきたいわけなので、レッスンでは、まずは図1の矢印のところにアプローチしていきます。
例えば、これが首の話だとします。
それが改善されたら、次は図2の矢印のところにアプローチしていきます。
今度は、腕の話とします。
そして、図3に、、、
と、一回のレッスンでどんどん進めていっても、レッスンが終わって家に帰れば、元の図1の状態に戻ってしまいます。
それほど、身体の癖というのは強固なんですね。
で、次回までにレッスンでお伝えしたことに取り組んでほしいのですが、こんなにたくさん伝えても消化不良になってしまうのは、なんとなく分かりますよね。
実際、僕がレッスンを始めた頃は、それほど効果的なレッスンを行えてはいませんでした。
それから、試行錯誤を重ねて至った結論は「一回のレッスンでお伝えする情報量は出来るだけ少ないほうがいい」ということです。
情報量が多すぎると、あれもこれもやろうとして、結局、消化不良になってしまいます。
だから、余分な情報はお伝えしないほうがいいのです。
(余談ですが、中学受験でも同じようなことが言われるそうです。
例えば、方程式を使えば簡単に解ける算数の問題も、小学校では方程式を扱わないので、方程式を使ってはいけません。
もし方程式を知っていれば、逆に迷いが生じて、問題を解くのに余計に時間がかかってしまうそうです。
だから、方程式は絶対に教えないんだとか)
もちろん、レッスンを重ねていけば、全体像が身につくように設計はしていますが、少なくとも一回一回のレッスンでは、少ない情報量を丁寧に説明して、腑に落ちるまで体験してもらった方が、結果的に短い時間で身体の使い方が身につく、ということがわかっています。
こういう話をすると、中には「そんな悠長なことを言わずに、短期間で学びたい!すぐに変化が欲しい!」という方もいるかも知れません。
ですが、そんな方法は存在しないんですね。
もしあなたが、知識を得たいだけだったら、図書館に行って、解剖学書を順番に読めばいいだけの話です。
しかし、身体の使い方を学んで、自分の演奏に活かそう、というのであれば、結局、少しずつコツコツ身につけていく、というのが、唯一、かつ最短の方法です。
そうすることで、3日ですぐに、とは言いませんが、数ヶ月、数年単位では、大きな変化を得られます。
ぜひ、そういう心構えで取り組んでください。