呼吸について、こんな勘違いをしていませんか?
こんにちは、川浪です。
呼吸の仕組みについて、このように思っていませんか?
「空気が入ると肺が大きくなり、空気が出ると肺が小さくなる」
これは、まったく逆です。
最近、レッスンをしていて、かなり多くの方が、この勘違いをしていることに気づきました。
音楽家にとって、呼吸に関する正しい認識を持つことは、とても大切です。
呼吸の正しい仕組みは「肺が大きくなると空気が入り、肺が小さくなると空気が出る」です。
なんだ、同じじゃないか!と思われた方は要注意です。
これは、まったく逆です。
空気が、勝手に出入りすることはありません。
肺の容積が変わって、気圧差が生じて、空気が出入りするのです。
なぜ逆のイメージを持ってしまうのか、想像してみたところ、おそらく「肺は風船のようなものだ」というイメージがあるのではないでしょうか。
たしかに、風船は空気を入れたらふくらみます。
しかし、風船をふくらますときは、誰かが空気を入れているのです。
口や、ポンプで空気を吹き込みます。
しかし、人間の肺に、誰かが空気を吹き込むということは、通常ありません。
(人工呼吸は例外ですが)
もう一つの原因は「口や鼻で、空気を吸ってる」というイメージではないでしょうか。
確かに、口や鼻から、空気は出入りします。
しかし、口や鼻そのものは、空気を吸引するような働きを持っていません。
あくまでも、肺の大きさが変わることで、空気が出入りし、口や鼻は、その通り道でしかないのです。
では、どうやって肺の大きさを変えるかというと、以前も説明した通り、胸式呼吸や腹式呼吸、という話になってくるわけです。
音楽家のみなさんは、呼吸のことを色々試されると思いますが、そもそもの認識が誤っていたら、あまり効果的ではないでしょう。
呼吸の基本的な仕組みについて、まちがった認識をしていた方は、これを機に正しい認識にしてくださいね。