実録!楽器の先生の言う通りにしたら、下手になった話
こんにちは、川浪です。
これまでレッスンをしていて「師事する先生が変わったら、下手になった」という方が何人もいました。
演奏する姿勢やフォームなど、先生の言う通りにしても、上手くいかない。
それどころか前よりも下手になってしまう、とのこと。
僕も、これまでたくさんの楽器のレッスンを受けてきて、先生の指示が曖昧だな、とか、ちょっと変だな、と感じたことはあります。
そういった場合は、自分自身が身体の使い方の専門家なので、自分なりに解釈して、上手く取り入れるようにしています。
しかし、皆さんが言っていたのは、そういうレベルの話ではないということを、身をもって体験しました。
先日、某音楽教室でトランペットの体験レッスンを受講したときのこと。
まずは自由に吹いてみてください、ということで、しばらく試してみました。
トランペットを吹くのは、ほぼ初めての経験。
最初はまったく音が出なかったものの、しばらくすると、それなりに音も出るようになりました。
先生曰く「初めてにしてはスジがいいですね。もっとを音を良くするには、息の流れが大切です」
と言われ、次のような指示を受けました。
・骨盤をひねって、身体の向きを変える。
・腹式呼吸をするために、お腹を動かす。
・背中は丸める。
・鼻から息を吸わない。口だけで吸う。
などなど。。。
驚いたことに、先生の指示通りにすればするほど、どんどん音が悪くなります!!
先生がどういった意図でこのような指示をされたのかは、まったく不明ですが、解剖学的に考えると???です。
あげくに、鉄のストローのようなものを渡されて、これに息を吹き込むように、と。
これが楽器を吹いている時の状態です、と言われましたが、僕自身は、こういった「グッズ」は全て懐疑的です。
本物の楽器を演奏できないなら事情は違いますが(ドラムは、常に生楽器で練習できる人は稀です)目の前に本物の楽器があるのに、なぜそれを模倣したもので練習しないといけないのでしょうか。
しかも、それが本当に、本物を模倣しているのかは、定かではありません。
似て非なる練習となっている可能性が非常に高いです。
実際のところ、これもまったく効果を得られませんでした。
たった三十分のレッスンでしたが、ここまで悪影響を感じたのは、人生初です。
このレッスンでの一番の問題点は「先生に悪気がない」ということです。
熱心に指導してくれましたし、きっと人格的にはいい人だと思います。
また、先生自身はこの方法で上手く吹けるのかもしれません。
(楽器の先生の言ってることと、実際にやってることが違う可能性は、大いにありますが)
この方法で上手くいく生徒も、中にはいるのでしょう。
その理由については、以前の記事で説明しました。
ですが、これは万人に有効な指導かというと、そうではありません。
実際のところ、これで上手く吹けるようになる確率は、かなり低いでしょう。
僕は、身体の使い方の専門家ですし、これまでに複数の楽器経験(ドラム、ギター、ピアノ、ボーカル、サックス、バイオリン)がありますので、それに気づくことができます。
しかし、これが楽器を始めたばかりの初心者であればどうでしょうか?
「先生は熱心に教えてくれるのに、やっぱりトランペットは難しいなぁ。
自分には、才能がないのかなぁ」
と思ってしまうかもしれません。
あるいは初心者でなくでも、それがとても高名な先生であれば、やはり自分に問題があると、感じてしまうのではないでしょうか。
こういうことが起こらないために、やはり全ての楽器指導者は、解剖学にもとづいた身体の使い方を学ぶべきだと思います。
実際に、楽器の指導をされていて、僕のレッスンを受講されている方々は、以前より明確に指導できるようになった、とおっしゃっています。
また楽器のレッスンを受講する立場としても、身体の使い方を学ぶことは有効です。
僕のレッスンを受講されている多くの方が、楽器の先生の指示を、より理解できるようになった、とおっしゃっています。
僕はこのレッスンでお伝えしている内容を、少しでも多くの方に伝えられるように、今後も活動を続けていきます。