川浪がレッスンでの失敗から得た教訓
こんにちは、川浪です。
最近のレッスンで、失敗した話をシェアしようとおもいます。
ピアノの方へのレッスンで「オクターブを弾く時に、ラクにフォルテで鳴らしたい」というリクエストでした。
こういったリクエストは珍しいわけでもなく、わりとシンプルに解決できる、と思っていたのですが、、、
色々レッスンでお伝えして、僕から見る限りは、けっこう変化が起きてたんですね。
でも、生徒さんは「いまいち、よく分かりません」との反応。
まぁ、こういった反応も珍しいわけではないので、あれこれ、手をつくしていたのですが、それでもピンときていない様子です。
そこで、一旦、仕切り直す必要があると思い、じゃあ、一体、どのように弾きたいのかを確認することにしました。
そこで、ようやく、僕の勘違いが明らかになりました。
その曲は、冒頭、ジャーンと長い音符のオクターブで始まり、そこから細かいフレーズに入っていきます。
僕は、その冒頭のジャーンを上手く弾きたい、と言ってるもんだと、勝手に勘違いしていました。
生徒さんが言っていたのは、そこではなくて、細かいフレーズの中に、アクセントとしてフォルテの部分があり、そこを指していることがわかりました。
確かに、譜面をちゃんと見れば、そういう指示になっていました。
そこで、ようやくレッスンを仕切り直し、最終的には「これなら自由に弾ける感じがあります」と満足していただき、レッスンは終了しました。
さて、このような失敗談を、恥を忍んで公開するには、理由があります。
そして、それは僕のレッスンの根幹に関わる部分です。
それは「正しい身体の使い方があるのではなく、こう演奏したいという、明確な意図があって、どのように身体を使うかが決まる」ということです。
世の中のかなり多くの方が「完全無欠のパーフェクトな身体」というのが存在して、その状態になれば、なんでも出来る、と思っているフシがあります。
そして、アレクサンダーテクニークを学べば「完全無欠のパーフェクトな身体」になれると思い、レッスンを受講される方もいます。
断言しますが、残念ながらそれは間違いです。
そうではなくて「こんな演奏をしたい」という明確な意図があって初めて「こんな身体の使い方をしたらいいですよ」という提案ができるのです。
僕がレッスンで犯した間違いは、生徒さんが「こんな演奏をしたい」という意図を、取り違えていたことです。
細かいフレーズの中で、フォルテの指示がなければ、僕の目には、それなりに上手くいっているように見えたのです。
しかし、そこにフォルテの指示があることに気づいたら、見え方が全く変わり、新しい提案ができたのです。
今回の失敗から得られる、僕自身に向けた教訓は、より良いレッスンをするためには、生徒さんの演奏の意図を汲み取るべく、音楽への理解、関心を、より一層深めていく必要がある、ということですね。
と、同時に、音楽を演奏される方へ伝えたいメッセージは、「こんな風に演奏したい」という意図を明確に持つことの重要性です。
音楽のレッスンで「ここは、こんな風に演奏しましょう」と指示されることもあるでしょうが、最終的には、自分自身で、その意図を持つ必要があります。
その意図が明確であれば、そのために必要な身体の使い方は、自然と導かれます。
身体の使い方を導く方法は、今後も引き続き、お伝えしていきます。