楽器のレッスンと身体のレッスンの違い
こんにちは、川浪です。
前回は、楽器のレッスンにおける、身体の使い方の指示が、なぜわかりにくいのか、ということについて書きました。
今回は、それを踏まえて、楽器のレッスンにおける身体の使い方の指示がどうあるべきか、ということについて、考えていきます。
まずは初級編。
結論を先にいうと、「身体の使い方は諦める」です。
「そんな無茶な」と思うかもしれませんが、大真面目です。
楽器の先生は、必ずしも、身体のことについて、熟知しているわけではありません。
一般の方と同じように、たくさんの誤解を持っているケースも、非常に多いです。
前提知識が欠けているにも関わらず、正しいことを伝えられるわけがありません。
むしろ、間違ったことを伝えて、演奏に弊害をもたらす可能性もあります。
ですから、自分は、身体のことについて、きちんと理解できていない、という自覚があるなら、無理に身体のことは伝える必要はありません。
では、何も伝えることはないかというと、そうではありません。
実際に演奏して、お手本を示せばいいのです。
初級編としては、それで十分です。
生徒の立場としては、先生がおかしなことを言っていたら、無視すればよいです。
実際、僕自身も、たくさんのレッスンを受講してきましたが、楽器の先生が身体の使い方についておっしゃることは、どうも間違っていると思われることが、多々ありました。
その場合、表面上は従っているふりをしますが(笑)、実際は、まったく無視しています。
そうではなくて、どういった演奏表現を求めているのか、ということに注目します。
身体の使い方は、結局のところ、自分が出したい音を出すための、手段でしかありません。
楽器の先生は、どう演奏すればよいか、というゴールを示すことについては、専門家であるはずです。
しかし、そのゴールを達成する手段である、身体の使い方については、必ずしも熟知しているわけではありません。
例えるならば、英語の先生に、数学も教えてもらおうとしているようなものです。
中には、両方教えられる先生もいるでしょうが、極めて稀でしょう。
かくゆう僕自身も、身体の使い方については、胸を張って専門家と言えますし、ドラムのレッスンも行っていますが、他の楽器について同じレベルかと言われるとそうではありません。
(なので、僕は、ここ数年、ピアノ他、いろんな楽器に取り組んでおり、まだまだ専門家には程遠いですが、レッスンには良い効果が現れています)
というわけで、初級編としては、楽器のレッスンと、身体の使い方のレッスンは、科目が違うのだと認識しておいてください。
そこそこ長くなってきたので、続きは次回で。
次回は、楽器のレッスンで、身体の使い方を伝えるときに、どういったことに注意すればよいのかについて、書いていきます。