演奏する時の正しい姿勢とは?
こんにちは、川浪です。
「どうすれば、演奏する時に正しい姿勢ができますか?」という質問を受けました。
「猫背だと確かに動きにくいのは分かるが、かといって背すじを伸ばしても疲れるし、うまくいきません」というような趣旨でした。
同じような悩みを持っている方は、多いと思います。
では、この質問にどのように答えるかというと、いつも「姿勢なんてどうでもいいですよ」と答えています。
これだけ聞くと、何の答えにもなっていないと感じるかもしれません。
しかし、このような答えをするのは、理由があります。
それは、そもそも「正しい姿勢」というものに対する誤解です。
「正しい姿勢」とは、いったいどのようなイメージでしょうか。
ほとんどの方が「ある一定の決まったポジション」というイメージをお持ちかと思います。
そのポジションに収まっていれば、自然で楽で効率がいい。
そのようなものが存在して、それが正しい姿勢だ、というイメージです。
しかし、そんなものは現実には存在しません。
ちょっと考えればわかりますが、演奏している時には、身体はめまぐるしく動いています。
ドラムは、とてもわかりやすいですね。(僕もドラムを演奏します)
両手両足をバラバラに動かす必要があります。
ドラム以外の楽器でも同じです。
ピアノや、ヴァイオリンなどの弦楽器はもちろん、管楽器でも、指の細かい動きが必要です。
歌でも、呼吸するわけですから、止まっているわけではありません。
演奏にかぎらず、あらゆる活動において、決まったポジションでじっとしていることはありません。
身体が動いているということは、重心やバランスも変わり続けます。
つまり、「正しい姿勢」というのは、存在しないことになります。
では、アレクサンダーテクニークで目指すのは、どのような状態でしょうか。
それは「必要な動きが、必要な時に、必要なだけ起こる」状態です。
演奏している時は、身体は目まぐるしく動いて、重心やバランスも変わり続けます。
それに対応できる状態でいる必要があるわけです。
そのための方法は、レッスンやこのブログでもお伝えしていますが、まずは姿勢に対する間違ったイメージを手放す必要があります。
ある一定の決まったポジションに収まろうとしている限りは、目指す状態にたどり着くことは出来ません。
それどころか、間違ったイメージを持つことは、身体を固めてしまう原因になります。
まずは、その間違ったイメージを手放すことから、始めてみてください。