演奏に脱力は不要
こんにちは、川浪です。
レッスンをしていると「どうすれば脱力できますか?」と聞かれることが、よくあります。
演奏をしていると、余計な力が入ってしまい、どうしてもそれを手放したい、というのは、音楽家に共通の悩みです。
実際、演奏の指導でも、「脱力しましょう」といわれる場面は、多いようです。
しかし、僕のレッスンでは、基本的に「脱力」という言葉は使いません。
僕のレッスンは、二つの方向性で進んでいきます。
それは
1,不必要なことをやめる
2,必要なことをする
です。
例えば、ヴァイオリンであれば、演奏に必要なことをシンプルに考えると、弦を押さえることと、弓を動かすことだけです。
この動きは、どちらも、腕や手、指の動きによって行われます。
しかし、首に力を入れたり、肩を持ち上げたり、と演奏に必要のないこともやっています。
では、なぜ必要のないことをしてしまうのでしょうか。
それは、必要なことが足りていないからです。
こうやって動かしたい、もっと大きな音を出したい、もっと安定させたい、などなど、やりたいことが実現していない時に、それを何とか補おうとして、必要のないことをやっているのです。
仮に不必要な力を上手く脱力できたとしたら、どうなるでしょうか。
おそらく、それを補うために、別の不必要なことをやり始める可能性が高いです。
レッスンではまず、自分がやっている不必要なことに気づいてください、とお伝えしています。
自分が、どこで不必要なことをしているか、正確に把握できている人はとても少ないです。
まずはそれに気づくことが重要です。
それだけで、ずいぶんと演奏が変わるはずです。
気づいたら、あとは特にどうこうしなくても大丈夫です。
あとは必要なことが明確になれば、自然と不必要なことを手放すことができます。
(これについては、次回以降書きます)
まとめると、
脱力しようとすると、別の不必要な力を入れる可能性が高い。
まず、自分がやっている、不必要なことに気づくこと。
あとは、必要なことを明確になると、不必要なことは手放せる。
です。
自分の演奏にとって、必要な動きと、そうでない動きを観察してみてください。