アレクサンダーテクニーク

演奏時に身体を固めてしまうのを手放す方法


こんにちは、川浪です。

演奏をする時に身体を固めてしまう、というのは、全楽器に共通した悩みです。

身体を固めてしまうから、それをやめよう、と思っても、簡単にやめることができません。

なぜなら、脳の機能上、物事を肯定的にしか考えることができないので、やめようやめようと思ったことを、ついついやってしまうわけです。

(これについては、次回以降説明します)

そこで、「固めてしまうのをやめよう」と考える代わりに、アレクサンダーテクニークでは「全身を使おう」と考えるわけです。

全身を使えていない状態とは、身体の一部分しか使っていない、ということです。

なぜその部分しか使っていないかというと、そこにしか意識が向いていないからです。

つまり全身を使うとは、意識が向いていないところにも意識を向けましょう、ということです。

さて、それを一人でやってみようとなると、問題が生じます。

意識が向いていないところに、意識を向けようと言っても、そもそも意識が向いていないのだから、どこに意識を向けていいのかわからないのです。

意識が向いていない部分は、意識が向いていない状態が基準になっているので、意識が向いていないことに気づけないのです。

(ちょっと複雑ですね)

逆に言えば、それこそがレッスンを受けるメリットです。

自分では気づけないところを指摘してもらえるからです。

しかし、自分一人でできないわけではありません。

自分の意識が向いていない部分に気づくには、コツがあります。

まずは、演奏時の自分の身体を観察します。

そうすると、力が入っていたり、頑張ってるなと感じるところがあると思います。

例えば、肩に力が入っていたとします。

なぜ、力が入るかというと、そこに意識が過剰に向いていて、そこばかりを使っているからです。

普通は、肩に力が入っていたら、肩の力を抜こうと、考えます。

しかし、それが難しいのは、先に説明したとおりです。

では、どうすればいいかというと、力が入っている部分以外のところに意識を向けてみることです。

力が入っているところに意識が向いているということは、つまり、それ以外のところが意識が向いていないところです。

肩に力が入っているなら、例えば、骨盤や脚などに意識を向けてみましょう。

たとえ、その部分が演奏に直接関係無かったとしても、そこも演奏に関係していると考えてみてください。

そう考えながら、もう一度演奏をしてみて、もし良い変化があったなら、さっきよりも全身を使えているという状態です。

このようなプロセスで、徐々に意識を向ける部分を広げていけば、身体を固めることを手放していけます。

もう一つのコツは、骨格標本や、イラストなどを見ることです。

たいてい、パッと目につくところが、あなたの身体で意識が向いているところです。

つまり、それ以外のところが意識が向いていないということです。

こちらも同様に、その部分が演奏に関係しているという意識を試してください。