胸式呼吸はダメ、腹式呼吸がよいってホント?
こんにちは、川浪です。
昔からよくある呼吸指導に
「胸式呼吸はダメ、腹式呼吸がいい」
というものがあります。
胸を膨らませないように、とか、肩を動かさないように、みたいな指導をしているようです。
この指導には、特に根拠が見当たりません。
そもそも呼吸のメカニズムは、肺が膨らむと息を吸って、縮むと息を吐く、というものです。
肺自体には、大きさを変えることができないので、そのために、
1,横隔膜が動く
2,胸郭が動く
という二つの方法で呼吸を行っています。
この1を腹式呼吸、2を胸式呼吸と呼ぶわけですが、どちらがよい悪いということはありません。
胸式はダメ、と思い込んでいると、本来使えるものを使わないので、呼吸が苦しい、息のスピードが足りない、といったことが起こりやすくなります。
どちらも使うことができるので、両方使ったらいいだけです。
もちろん、歌唱や、管楽器の演奏は、通常の呼吸とは違うので、個別に呼吸の仕方はあります。
しかし、楽器も様々、演奏も様々なので、実質的には全てのパターンを分析することは不可能です。
呼吸の問題について、これまでレッスンをして来た限りでは、呼吸法をあれこれ考えるよりも、余計な思い込みを手放すだけで、問題が解決することがほとんどです。
まずは、胸式、腹式といった区別をすることなく、両方とも使えるという意識で取り組んでみてください。
呼吸を妨げるよくある傾向については、胸式、腹式、それぞれについて、次回以降、説明したいと思います。