身体を固めずに演奏するために大切なこと
こんにちは、川浪です。
ピアノの方にレッスンしていて、こんな悩みをお聞きしました。
「左右の移動がはげしい曲を弾く時に、力が入り、脇を締めてしまい、うまく弾けないので、脇を開くようにしている」
これには、考えることがたくさんあるので、丁寧に解説していきます。
まず、身体を固める、というのは、動作の初期に起こりやすいです。
例えば、「せ~の!」という掛け声をかけると、グッと力が入りませんか?
あるいは「よ~い、どん!」でも同じです。
「よ~い」といってる時点で、グッと力が入りますよね。
これと同じことが、演奏のときにも起こっています。
今回のピアノの方の場合は「左右の動きをしよう」と思った時点で、脇をしめる、つまり上腕を体の中心に引き寄せる筋肉を収縮させる、ということが起こっています。
両手を左右に動かすのに、脇を締めていては、動きにくい。
だから、脇を広げよう。
と考えたわけですが、これも問題です。
すでに脇を締める筋肉が収縮しているにも関わらず、それと逆の動きをしようとすると、簡単に言えば筋肉の引っ張り合いになってしまいます。
これでは、動きやすくなるどころか、余計、身体に負荷がかかってしまいます。
場合によっては、ケガや痛み、故障の原因にもなるでしょう。
ことの発端は、動作の初期に身体を固めやすい、ということです。
これは、ピアノに限らず、他の楽器でも同じですし、あらゆる動作で、そのような傾向があります。
それに気づかず、反復練習を繰り返せば、練習すればするほど、その癖が強化されていきます。
ですから、身体を固めずに演奏するためには、まず、自分がどのタイミングで身体を固めているのかを、はっきりと自覚することが重要です。
言うのは簡単ですが、実際にやるのはなかなか難しいです。
レッスンをしていても「言われるまで、自分にそんな癖があることに気付きませんでした」という方がほとんどです。
ですので、まず自分の癖に気づく必要があるという認識を持った上で、根気よく取り組むことが重要です。
自分の身体を固める癖に気づいたら、その次は、それをせずに演奏をする、というステップです。
これも、なかなか難しいですね。
なぜなら、それは、いままでやったことのない、新しい体験だからです。
これまでの経験の枠組みで考えている限りは、新しい体験がうまれることはありません。
僕のレッスンでお伝えしている、身体の使い方を学ぶ、ということは、自分の身体の意識的にコントロールできる領域を増やしていく、という活動です。
新しい領域は、自分の意識の外にしかないのです。
僕は、冗談抜きで、24時間、それについて考えていますし、そうすれば、身体の使い方は、日々向上していきます。
まぁ、そこまでしなくても、レッスンに来ていただければ、あなたの癖、及び、あなたの望む演奏をするために必要な身体の使い方を、お伝えすることができます。
身体の使い方を学ぶ、というのは、このエクササイズをやっておけばOK、というお手軽なものではありません。
もちろん、そうした方が受けがいいのは、百も承知です。
ですが、そこに、あなたの求める答えはありません。
お手軽だけど結果のでないものを提供するのではなく、地道でもやれば確実に成果の出るものを提供するというのが、僕の信念です。
それに共感いただける方に、レッスンを受講いただければと思っています。
追伸
とはいえ、ほとんどの方が初回レッスンで、効果を実感されます。
そんなにハードルの高いものではないので、ご安心ください。笑