頭で考えた奏法に、固執していませんか?
こんにちは、川浪です。
レッスンで「ピアノを弾く時に、前腕が重く感じるのをなんとかしたい」という質問を受けました。
パッと見たところ、イスの座面が高く、ひじの位置が高くなり、その影響で手首の角度がきつくなっていました。
おそらく、それが原因だったのでしょう。
イスの高さを低くしてもらうと、弾きやすくなった、とのことでした。
もともと、イスをかなり高めにセッティングしていたので、その理由を尋ねたところ、あるピアノ奏法を習っていた時に、イスは高いほうがよいと指示されたそうです。
その奏法、話を聞く限りは、どうもあやしい感じでした。
つまり、解剖学的根拠に乏しい、ということですね。
残念なことに、そのような指導法が、世の中にあふれています。
ですが、一般の方は、身体に関する知識はほとんどありません。
これが正しい演奏方法だ!と言われたら、つい信じてしまうのも、やむを得ません。
そうして間違った知識を身につけてしまうと、自分の感覚よりも、そちらを優先してしまいます。
意図的に学ぶだけでなく、知らず知らずのうちに、間違った知識を身につけている場合もあります。
巷でよく言われている、
・胸式呼吸はダメ
・背すじを伸ばそう
・脱力しよう
などなど。
こういった教えは、弊害しかありません。
(これらについては以前も書いたのですが、また機会があれば詳しく書きます)
正しい身体の知識を身につければ、こういった根拠の乏しい指導に惑わされなくなります。
一人で身体のことを学ぶというのは、なかなか難しいことですが、少なくとも、自分の感覚は大切にしてください。
今回の方は、その奏法を試しても「何か違う」と感じられて、僕のレッスンにたどり着きました。
一生懸命やっても、どうもうまくいかない、と感じているなら、それまでの方法に固執するのではなく、よりよい方法を見つける機会と捉えてみてください。