アレクサンダーテクニーク

頭で考えた奏法に、固執していませんか?


こんにちは、川浪です。

レッスンで「ピアノを弾く時に、前腕が重く感じるのをなんとかしたい」という質問を受けました。

パッと見たところ、イスの座面が高く、ひじの位置が高くなり、その影響で手首の角度がきつくなっていました。

おそらく、それが原因だったのでしょう。

イスの高さを低くしてもらうと、弾きやすくなった、とのことでした。

もともと、イスをかなり高めにセッティングしていたので、その理由を尋ねたところ、あるピアノ奏法を習っていた時に、イスは高いほうがよいと指示されたそうです。

その奏法、話を聞く限りは、どうもあやしい感じでした。

つまり、解剖学的根拠に乏しい、ということですね。

残念なことに、そのような指導法が、世の中にあふれています。

ですが、一般の方は、身体に関する知識はほとんどありません。

これが正しい演奏方法だ!と言われたら、つい信じてしまうのも、やむを得ません。

そうして間違った知識を身につけてしまうと、自分の感覚よりも、そちらを優先してしまいます。

意図的に学ぶだけでなく、知らず知らずのうちに、間違った知識を身につけている場合もあります。

巷でよく言われている、

・胸式呼吸はダメ
・背すじを伸ばそう
・脱力しよう

などなど。

こういった教えは、弊害しかありません。

(これらについては以前も書いたのですが、また機会があれば詳しく書きます)

正しい身体の知識を身につければ、こういった根拠の乏しい指導に惑わされなくなります。

一人で身体のことを学ぶというのは、なかなか難しいことですが、少なくとも、自分の感覚は大切にしてください。

今回の方は、その奏法を試しても「何か違う」と感じられて、僕のレッスンにたどり着きました。

一生懸命やっても、どうもうまくいかない、と感じているなら、それまでの方法に固執するのではなく、よりよい方法を見つける機会と捉えてみてください。