根拠のない指導に惑わされないために
こんにちは、川浪です。
鎖骨と肩甲骨も、腕の一部で、上腕から先の動きとも連動する、ということです。
しかし、このイメージがわかない、という方も多いと思います。
そこで、二つの参考情報を紹介します。
一つ目はこの動画です。
見ての通りです。
上腕が動いた時に、肩甲骨と鎖骨も動いていることがわかりますね。
もう一つは、四足動物の骨格です。
哺乳類は、それぞれ骨格の構造が似ています。
前足を見ていただければ、肩甲骨が腕の一部というイメージがわくのではないでしょうか。
人間は二足歩行のため、肩甲骨と上腕が、肋骨の前後に分かれていて、なんだか別物のような気がするのですね。
(ちなみに多くの四足動物には鎖骨がありません)
ところで、ヴァイオリンの指導などで、肩甲骨を動かさないように、という指導がされることがあるようです。
なぜ、こんな根拠の無い指導がされるのか、理由を考えてみました。
一つの仮説は、肩甲骨を動かさない、ではなく、軸がブレないようにしたいのではないか、ということです。
先ほどの動画を見たらわかりますが、肩甲骨は、肋骨とは接していないので、独立して動くことができます。
しかし、その周辺の筋肉を固めていると、肩甲骨と肋骨の関係が固まってしまいます。
その状態で、腕を動かそうとすると、肩甲骨に引っ張られて、肋骨などの軸もブレてしまいます。
だから、軸がブレないように、肩甲骨を動かさない、という指示になるのではないでしょうか。
しかし、肩甲骨を動かさなければ、腕全体の動きが制限されてしまいます。
軸がブレない、ということと、肩甲骨を動かさない、ということは、まったく関係ありません。
肩甲骨と軸の動きは独立している、という正しい認識を持てば、このような間違った指導に惑わされることはなくなるでしょう。